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小宮のせんべいはまず第一に原料の米から違います。
埼玉県産の歯ざわりの優れる「うるち米」をよく吟味して使うことから始まります。
粘りからして違うので、小宮のせんべいにはこの米が欠かせません。
”米は生き物”なのです。
その”生き物”をいかに大切に扱い、おいしさを最大限に引き出すかが勝負になります。
 
 
 
 

生地づくり

まず米を研ぎ、製粉し、湯でかき混ぜてよく練ります。
練ったものを棒状に伸ばし、こぶしほどの大きさに切って蒸篭(せいろ)でたっぷり蒸します。

蒸しあがったら今度はしっかりと搗き、それを冷水に1時間ほど浸して
アクを抜きます。
最後にアク抜きしたものをもう一度練り直し、さらにきめ細かくするために
搗きなおします。
これをのし機に入れて丸く型抜きをします。


天日干し

 
これが小宮の小宮たる所以ですが、“むしろ”に並べて天日干しを行う方法は、
美味しさの決めてとなります。
天日干しを行うことで生地が浴びる紫外線は、食べ物にとって非常に有益なものと
されています。
そもそもせんべいの原料となる米も、天日で乾燥させたものは機械で乾燥させたものに
比べて、米の美味しさを示す食味値が向上するそうです。
“むしろ”を使うのは吸湿性・放湿性も優れているため天日干しに最適であるからです。
この天日干しというのはなかなか厄介なもので、季節によって時間のかけ方を変えるのはもちろん、
その日の日照り具合、温度、湿度、風などの条件が微妙に異なるので、かなり熟達した経験が必要になります。
  夏は最低でも一日半、冬は三日ほど干しますが、闇雲に干すわけではありません。
夏、せんべいが「暑いよ」助け声を出していれば切り上げ、冬、「寒くて堪らん」と言えば早めにしまうというようにせんべいの気持ちを考えながら作業を進めます。
  乾燥機を使えば3時間もあれば乾きます。
しかし、草加せんべい本来の堅くて身の締まったものは天日干しでなければできないという確信があるので、今も手間ひまかけて天日干しを行っています。
 
 
 

手焼き

  こうしてできた生地を焼くわけですが、ただそのまま焼くわけではありません。
焼く前に“ホイロ”という炉で最後の水分調整をします。
水分を抜きすぎれば、大きく柔らかいせんべいになってしまいます。
また水分を残しすぎれば、小さく芯の残ったせんべいになってしまいます。
歯ごたえのいい堅焼きを作るにはやはり熟達した経験が必要です。
  そして炭火でじっくり一枚一枚丁寧に焼き上げます。
「千回返すからせんべい」といういわれもあります。
熟達した職人が何度も返し、押し瓦で何度も押し、形を整えようやくせんべいが完成します。
  一日1500枚〜2000枚程度しか焼けませんが、やはり手焼きでないとおいしいせんべいはできないという確信があるので、創業当時から変わらぬ手焼きにこだわり、全商品手焼きで仕上げています。

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